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外壁塗装・屋根の塗り替え前に「高圧洗浄」が必須なシンプルな理由

外壁塗装工事には「高圧洗浄」が含まれることが一般的になっていますが、本当に必要な工程なのでしょうか。そして、もし必要なかったら、そのぶん安くできないのかと疑問を抱く人も多いかもしれません。

結論からお伝えすると、必要です。必須なので絶対に省けません。

高圧洗浄を実施して塗装工程に移行するわけですが、高圧洗浄をするとしないでは品質に及ぼす影響も大きく変わります。つまり高圧洗浄は、塗膜が機能を発揮するうえで必要な工程なのです。

今回は、高圧洗浄とはどのような内容で行われるのか、そして高圧洗浄を行うメリットやしないと起こるかもしれない影響についてご紹介します。

高圧洗浄とは

高圧洗浄とは、その名の通り高圧洗浄器を使って外壁に付着した汚れやチョーキングの粉などを洗い落とす工程です。塗装工程に移行する前に行いますが、しっかりと不純物を洗い落とすことで安定した塗膜形成が可能になります。

ちなみに、外壁塗装工事の大きな流れは以下の通りになります。

  1. 足場設置(飛散防止シート)
  2. 高圧洗浄
  3. 下地補修
  4. 塗装工事(下塗り、中塗り、上塗り)
  5. 足場解体

高圧洗浄を行うメリット

外壁塗装工事において、高圧洗浄を行うことで得られるメリットは以下の通りです。

  • 強固な塗膜形成
  • 仕上がり品質の向上

強固な塗膜形成

高圧洗浄をすることで、下地面と塗料の密着性を高める効果があります。

汚れなどが残った状態で塗装した場合、下地面と塗膜の間には不純物があるため密着しにくくなるのは当然です。

下地面にしっかり密着することで、安定した強固な塗膜の形成が実現できるでしょう。

仕上がり品質の向上

外壁塗装工事における高圧洗浄は、仕上がり品質の向上に寄与します。

高圧洗浄をしてチョーキングの粉や汚れ、カビなどをしっかり落とし、不純物のない状態で塗装をするとムラのない美しい仕上がりにつながります。

高圧洗浄をしないことで起こりうるデメリット

続外壁塗装工事で、高圧洗浄をしない場合に起こる可能性があるデメリットがあります。それは、次の3点です。

  • 接着不良
  • 塗装ムラ
  • メンテナンスコストの増大

接着不良

外壁塗装で高圧洗浄をしないまま塗装すると、下地面と塗装は密着性が確保しにくくなります。

汚れなどが残った上に塗装した部分は、接着不良を起こす可能性があり塗膜の浮きや膨れなどの症状が現れることがあります。

そうなると強い塗膜を作れないので、十分な耐久性は発揮できません。

塗装ムラ

下地面に汚れなどが残った上に塗装した場合、密着できていない部分ができることから塗装ムラの原因になります。

また残った汚れなどが徐々に表面に浮き出て、色ムラになることもあります。

メンテナンスコストの増大

高圧洗浄をしないまま塗装をすると、早期の不具合につながります。

そうなると本来の耐久性を発揮できないため、メンテナンスサイクルが縮まりコストも増大するでしょう。

外壁塗装のメンテナンスは、足場の設置がともなうため高額になりがちです。したがって、メンテナンスコストを削減するにはできるだけ耐久性の高い塗料を選ぶことがポイントにもなります。

しかし、いくら性能の高い塗料を採用しても、下地面に密着できず早期に剥がれてしまうようでは意味がありません。

高圧洗浄の注意点について

外壁塗装工事で高圧洗浄は非常に重要な工程になりますが、いくつか注意しておきたいこともあります。

高圧洗浄のおもな注意点は以下の通りです。

  • 乾燥時間を設ける
  • 落とせない汚れもある
  • 近隣へ配慮する
  • 建物内に水が入らないようにする

乾燥時間を設ける

高圧洗浄が終わった後には一定時間の乾燥が必要になります。

塗れた状態で塗装したとしてもやはり密着性は低下してしまい、浮きや膨れなど不具合の原因になるのです。

気温にもよりますが、最低でも24時間以上は乾燥させるための時間を設ける必要があります。

落とせない汚れもある

高圧洗浄でも落ちにくい汚れもあります。

とくに根を張ったカビやコケなどがある場合などは、高圧洗浄だけで落としきれない可能性があります。

そんなときには、バイオ洗浄剤という薬剤を使った「バイオ洗浄」を行うと効果的です。

近隣へ配慮する

高圧洗浄は、非常に強い水圧で外壁を洗浄します。

飛散防止シートを設置しているとはいえ、水しぶきが飛散する可能性がまったくないわけではありません。万が一のことを考慮して、事前に工事内容とスケジュールを知らせておくとよいでしょう。

なお、通常は現場監督が近隣にご挨拶に行くため、お客様自らが赴くケースはほとんどございません。

建物内に水が入らないようにする

高圧洗浄は、高い水圧で外壁全面を洗浄します。ですので、窓が開いている場合や換気口などから、水が入っていかないように養生をする必要があります。

またシーリングが劣化してひび割れが著しい場合、高圧洗浄器を使うと内部に水分を侵入させてしまう恐れがあるため注意が必要です。

このケースでは、高圧洗浄前にシーリングを打ち替えておくことを検討する必要があるでしょう。

まとめ

高圧洗浄は、塗装工事で非常に重要な工程になります。

高圧洗浄をしない場合、あるいは洗浄が十分ではない場合などは、完成した後に外壁塗装の機能を発揮できない可能性はきわめて高いといえるでしょう。

より高いレベルの品質を確保し、そして安定した塗膜を形成するためにも、適切な高圧洗浄ができる業者を選ぶこともポイントのひとつです。